歩くということ
見知らぬ地を当ても無く、果てしなくただ歩き続ける。
そうすることが好きだった。
歩き続けると止まらなくなる。
ただひたすら歩く。
暑い日差しが刺すアメリカの大地を闊歩していた日が懐かしい。
今となれば、家の周りのいつもの道をグルグル歩き回っている。
健康のため、途中にある本屋に立ち寄るため。
かつての歩きはそんなためのものではなかった。
どこにたどり着くのかわからない不安の中で、道を切り開こうとする無謀な冒険だった。
歩き続ければ、歩き続けるほど溢れ出るアドレナリン。
また、そんな未踏の地を、ただひたすら歩きたい。